2/3~6 タイ遠征

member…栗山、ゆうみ君

text…栗山

 

時をさかのぼること約2ヶ月前、春から社会に出荷されることが決まっている4年生から

 

「タイで釣り満喫中!たのしいでちゅ~~~~!!!!!」

 

と連絡が。写真には何とも不気味な巨大ナマズや、バラマンディを持ちながら渾身のどや顔を決めている先輩たちの姿が…。

 

う、うらやまじい…!おれもあんな大きいの釣りたい!

 

そのときはただハンカチを噛みしめることしかできなかった。

 

その数週間後、釣行記でも度々登場する、我が釣部でも随一の変態釣り師「ゆうみくん」が、ゼミでタイに行くついでに、釣りも楽しんじゃおうという計画を企てていることが発覚。

 

冗談半分で彼から「お前も来るか?w」と聞かれたが、常日頃から特に何も考えず、ただぼーっと生きているおバカな僕は、「行く!!!!!」と即答。

 

若干ゆうみくんは引いていたが、そんなこんなでタイ遠征が決行された。

 

ゆうみくんはゼミで数日前すでにバンコク入りしているため、行きは僕1人で行くことに。色々不安があったが、夕方無事バンコクのドンムアン空港に到着した。

 

空港でゆうみくんと合流し、バスと電車でホテルへ。その道中、タイの文化にいろいろ触れることが出来た。

 

まず驚いたのが「命知らずのバイク野郎であふれかえっている」ことである。

バンコク市内の一般道は赤信号が長く、渋滞が多発する中、バイクは車間を器用にすり抜けていく。しかもヘルメットをしていない人もざらにいる。

 

まさに「命知らず」である。

 

その日はホテル近郊のパブで、タイおなじみの「ちゃんねえ」を眺めながらビールを嗜んだ。釣りは翌日からスタートすることなる。

 

翌日、充分に睡眠をとり、タクシーで1時間かけて我々が向かったのが、「NEWブンサムラン」である。

 

釣り好きの間では言わずと知れた「巨大魚の聖地」であるが、とにかく広い。なんだこのポンドのデカさは…サッカーコート何面分だ?

 

しかも施設内にはコンビニやレストラン、釣具屋さんまで完備している。海外製のロッド、リールがずらりと並んでいたが(ステラSW、ストラディック他)、金額を見る限り日本製のモノとあまり変わらなった。

 

そして極めつけは料金である。

 

なんと2人で6000バーツ(日本円でおよそ24000円)かかるというのだ。

 

なるほど、噂に聴いた通りぼったくり価格だ。釣れなきゃ事件起こすぞ。

 

6000バーツの中には、入場料の他にレンタルタックル代、ガイド料などが含まれる。

 

ガイドさんは仕掛けの準備からエサの配合、さらにはキャスティング、フッキングまでやってくれる。

 

つまり我々は魚がかかるまで待つだけ。その間2人で瓶ビールで乾杯しながら、その瞬間に備えた。尚、借りた竿は一本なので、2人で交代交代釣ることにした。というか結論を言うと竿は一本で充分である。

開始から15分ほど経っただろうか。ガイドが「スモールフィッシュ!」と我々を呼んだ。どうやら相当小さな魚がかかったらしい。

 

NEWブンサムランファーストフィッシュはまさかの「巨大ティラピア」だった。

 

なんだよそれ…。即リリース。

 

あっという間に僕のターンは終了し、銀バルをゆうみくんに渡した。

 

一応予定では、幸い巨大魚を釣り上げた経験(夏に釣った10㎏級のサットウ)がある僕が、ゆうみくんにファイトのお手本を見せてからバトンを渡す、というプランであった。それがエサ取りのティラピアによりぶっ壊されるハメに…。

 

この誤算が、この後すぐ悲劇(?)を生むことになることを2人はまだ知らない…。

 

ティラピアの数分後、すぐに次のアタリがきた。ラインがものすごい勢いで走っていく。今度は本命だ。

 

ガイドが2回、3回とフッキングをかまし、ロッドをゆうみくんへ。よしがんばれゆう…って

 

やばい!!完全に魚の引きに負けてる!!!!!!!

 

55㎏のほっそい体が、今にも池に引きずり込まれそうになっている!しかも足はめっちゃ内また!何これ!見ててめっちゃ面白いんだけど!!!(クズ)

 

さらに、隣で釣りしてた欧米系の外国人2人組が、格闘しているゆうみくんをみて

 

HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!!!]

 

と大爆笑。

 

挙句の果てには「Are you OK!?」と言いながらゆうみくんのことを支えてくれた。

↑この写真めちゃめちゃ面白い(盗撮もされてるしw)

 

ガイドの助けもあり、なんとかランディング成功!

そしてついに姿を現したメコンオオナマズ!!!キモイ!!!

 

20㎏級といったところだろうか…。とにかく見た目のインパクトがすごい。

 

写真を撮りリリースした後、ゆうみくんの顔には疲労と共に満足感にも満ち溢れていた。おめでとう!!!!

 

予想外の「内またファイト」をなんとか乗り越え、こうなればいよいよ僕の出番…と思ってたら、次のアタリはゆうみくんが上げてから5分足らずでやってきた。

 

 よそ見をしていた僕はいきなりガイドに竿を渡され、「え!?かかったの?」と驚く暇もなく、すぐに竿を銀バルにセットし、ファイト開始。しかし、ドラグが全く止まる気配がない。

 

「いや!止まらん、止まらないよ~~~~~~~!!!!!!!」

 

と叫びながら、巻いては走られ、巻いては走られを五分ほど繰り返した。ちなみにその間ガイドは横で「GANNBARE!」と応援してくれた。

 

そしてついに「奴」が再び姿を現した。

メコンちゃん!!!!(即席ニックネーム)

 

ヌメヌメ!!!キモイ!!!!重い!!!

 

写真撮ったら即リリース。手に残ったぬめりはすぐに洗わないと匂いが取れなくなるのでご注意を…

 

ネットで「ブンサムランは筋トレ」と書かれていいたのを見たが、その通りであった。立派な高強度トレーニングである。

 

メコンちゃんの引きはというと、ただただ「重い」。日本でいうと、ルアーに擦れがかりしたアカエイに近いと思う。シーバスとかみたいに首を振ったりしないのだろう。

 

ファイトの練習にはもってこいのターゲットである(実際最初は「内またファイト」を披露していたゆうみくんであったが、2本目以降は慣れてきてとても良いファイトをしていた)。

 

そのあとも数時間続け、2人で2本づつ上げ(バラシ、ラインブレイク数回)、納竿となった。

 

やや渋かったのは確かだが、はっきり言ってこれ以上釣ると疲れるだけでなく、「飽き」が発生するので、2、3本が丁度良い。

 

そして、ブンサムランではメコンちゃんの他に、「パーカーホ」という巨大なヘラブナみたいな見た目している奴が狙えるらしい。ほんとはそれが一番釣りたかったのだが、残念ながら不発に終わった。

 

しかし、周りでは数本釣り上げていたので、ネット上で言われてるほどレアな魚ではないかなと…(俺たちは釣れなかったけど)。

 

パーカーホを釣り上げるという「リベンジしに行く理由」を作り、今回のブンサムラン釣行は終了となった。

 

次の日、我々は某養殖池で、「バラマンディ祭り」を堪能することになるが、それは後編で詳しく書くことにする。

 

では今回はこの辺で。最後にブンサムラン釣行のフォトコレクションをどうぞ。

ちなみに隣で釣りしてた外国人2人組は、ドイツのケルン出身で、2人とも還暦超えたパワフルおじさんでした。

 

俺もあんな楽しい余生を送りたいな。

 

後編へ続く…